あれ、最近爪に黒い線が出てきたな…そんなことでお悩みではないでしょうか。実は放っておくと最悪の状況になってしまうことも。知識を身に付けて爪の健康をキープしましょう!
まずは、爪の黒い線をよく見てみましょう。
・黒い線が細い
・線の境界がはっきりしている
・線が途切れたりすることが無い
・線に色むらが無い
4つの特徴が揃っている時は、色素沈着やホクロが原因で爪が黒くなっている可能性が高いです。見た目は気になるかもしれませんが、害になることはないので放っておいても大丈夫です。
顔や体の色素沈着やホクロって皆さん気になりますよね?それと同じことが爪でも起きていて、黒い線が見えている...というわけです。
色素沈着かホクロかで最終的に消えるかどうかなど色々な違いがあるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
まずは、爪の色素沈着について解説します。
爪の付け根にある色素を作る細胞が活性化すると、爪の下に茶色や黒色の成分(メラニン)が沈着します。この状態が爪の色素沈着です。
原因は、
・外部からの刺激
・手湿疹の炎症
・細菌や真菌の感染
・薬(特定の抗がん剤や抗生物質)の服用
など、色々あります。
色素沈着の場合は原因を取り除いてあげれば、爪が全部生え変わる数年後には元通りになります。
次に爪のホクロについて解説します。
爪の付け根にある爪工場(爪母)に色素を作る細胞が混ざると、作られる爪が黒くなります。この状態が爪のホクロです。
爪のホクロは色素沈着とは違って、いったんできると消えることはありません。どうしても気になる時は簡単な手術で取り去ることもできますよ。
自分の状態が、色素沈着なのかホクロなのかは判断が難しいところですが、
・思いあたる原因があるなら、色素沈着
・思いあたる原因が無くて、数年経っても黒い線がそのままなら、ホクロ
の可能性が高いです。
爪の色素沈着やホクロは、そのまま放っておいて問題ありませんが、
・黒い線が太くなってきた
・線に色むらが出てきた
という時は、色素沈着やホクロではなく、別の病気が隠れている可能性が高いです。
ネイルをしたりして黒い線が見えなくなると忘れがちになりますが、セルフチェックは忘れずに。少しでも気になる事がある時は早めに皮膚科を受診しましょう。
爪を強くぶつけてしまったり、ドアに指を挟んでしまったことはありませんか?もしも心あたりがあるなら、爪の中で出血が起きて爪が黒く見えている可能性が高いです。
爪の中の出血はパッと見は黒い線に見えても、よく見ると紫色や赤紫色に見えるところがあるのが特徴です。
体をぶつけた時はアザになりますよね?それと同じことが爪でも起きていて、黒い線に見えている...というわけです。
爪の中が出血した時の爪の見た目は、
・爪の途中から黒い線が始まる
・血豆のような、黒くて丸い点がある
という場合が多いです。
数か月経って爪が伸びてくれば、自然と黒い部分が外に押し出されていきます。半年もすれば消えてしまうので時間はかかりますが気長に待ちましょう。
ただ、
・半年以上経っても消えない
・黒い部分が広がってきた
というときは爪の中の出血ではなく、別の病気が隠れている可能性が高いです。
この場合もセルフチェックは忘れずに。たまに確認してみて、治っていく様子がなければ早めに皮膚科を受診してみましょう。
爪が黒くなる原因で1番怖いのが、爪のがんである悪性黒色腫(メラノーマ)です。
・爪の根元から先まで一直線に黒い線がある
・線が太い
・線に色むらがある
・黒い部分が広がってきた
・爪が変形してきた
1つでも当てはまるときはすぐに皮膚科を受診しましょう。
悪性黒色腫(メラノーマ)は、がんの中でも非常に悪性度が高く進行も速いのが特徴です。治療が遅れると命に関わることもあります。
ドアに挟んだ爪が数ヶ月たっても治らないと思っていたら、悪性黒色腫(メラノーマ)だったという例や、10年以上前からあった黒い線が悪性黒色腫(メラノーマ)だったという例もあります。
悪性黒色腫(メラノーマ)は、放っておくと最悪の状況になってしまうこともあるとても怖い病気です。
皮膚科でダーモスコープという特殊な虫眼鏡で爪を観察してもらえば、かなりの確率で悪性かどうかすぐに分かります。ダーモスコープは痛みも全くなくすぐに終わる検査です。少しでも気になることがあれば、すぐに皮膚科を受診しましょう。
爪に黒い線が出るのはよくあることです。
ほとんどの場合は心配いりませんが、悪性黒色腫(メラノーマ)という怖い病気が隠れていることもあります。
美容と健康のためにも、爪のセルフチェックを欠かさないことが大切です。自分の爪の状態を日頃からよく観察して覚えておきましょう。
少しでも気になることがある時は早めに皮膚科を受診するのが安心ですよ。